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10月18日 勉強会「トピックス 注意と運動学習」

10/18 T-HANDs勉強会では,トピックス1題,症例報告2題の発表
がありました.
トピックスでは「注意運動学習」について,ご講義頂きました.臨床に
おいて対象者に注意や運動学習を促すために,どのような点に気をつけ
たら良いか?指示の出し方やフィードバックを見据えてどんなプログラムを
立てるべきなのかなど,自身の治療や評価を再考する良い機会となりました.
症例報告では,小児の多裂指,軟部組織の複合損傷の伴った肘骨折の
症例についてご報告頂きました.どちらも多く経験することのない症例であり,
大変勉強になりました.

以下に勉強会の様子と参加者の声を載せさせて頂きます.

<参加者の声>

201410

10月の勉強会はトピックス『注意と運動学習』と症例報告2例でした。

トピックスの注意と運動学習では、運動学習における、効果的な注意の向け方
について、Gabriele Wulf著を元にご講義いただきました。運動学習時に、インター
ナルフォーカス(IF):運動者自身の身体への注意、エクスターナルフォーカス(EF):
運動の結果や道具の動きに注意を向けるように、という2つ指示について、またフィ
ードバックの必要性についても興味深く伺いました。とても難しく不十分な理解なの
ですが、作業療法士としてEFの有効性は大変興味深く感じました。

臨床場面で、患者さんに提供する課題の種類と難易度、その課題についてどのよ
うに指示して取り組んでいただくか、その一つひとつにセラピストとしての意図が必要
だと深く感じました。作業を有効に活用するため、患者さんにとってchallengingな
課題の選択、運動学習に有効な指示、そして適切なフィードバックがおこなえるよう、
日々意識しながら臨床に取りくもうと改めて思いました。 運動学習についても、引き
続き勉強していきたいです。

症例報告は肘の靭帯損傷を伴う骨折と、発達分野の症例でした。
骨折や靭帯損傷のセラピィはプロトコールを用いる有用性はもちろん、プログラムを進
める上で、組織の損傷と修復過程に基づいて考えていく必要性を改めて感じました。
普段馴染みのない、発達分野の症例でしたが、子どもの発達の全体像を捉え、その
なかでハンドセラピィの役割を考える重要性を教えていただき、子どもだけではなく、
対象者の全体像を捉えること、そのなかで必要なセラピィを立案していくことは、成人
においても同様だと気づかされました。

今回も皆さまから新しい知識、そして沢山の刺激をいただきました。日々の臨床を、
何となくこなすのではなく、ひとつ一つを丁寧に積み重ねようと感じました。

千葉市立青葉病院 岡崎恵理乃先生

 

文責:成田