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6/19 勉強会「症例報告会」

6月19日の勉強会では,症例報告を中心に勉強会をおこないました.橈骨遠位端骨折や上腕骨
近位端骨折など,臨床にて対応することの多い疾患の症例報告であったため,活発な討議・相談
がおこなえました.

1症例目は,「橈骨遠位端骨折術後に,FPLの癒着が遷延した症例」についての症例報告でした.
橈骨遠位端骨折に合併するFPL腱の癒着を,どのように評価し,対応していくかが論点となりました.
手関節,母指のROMを維持しながら,減張位での滑走を促すことや,病院によってはリスクをDrと
相談しながら,積極的な滑走訓練をおこなうなどの意見がありました.
2例目は「上腕骨頸部骨折後に転位し,難渋した症例」についての報告でした.超高齢の症例で
は,状況によっては柔軟に対応し,機能よりもAbilityの獲得を主体としておこなう事も必要であること
などベテランの先生よりご意見を頂きました.
3例目は「橈骨遠位端骨折後にCRPSを発症した症例」については,CRPSとその他要因による疼痛
の鑑別の必要性.またその対応の方法についてなど,話し合われました.CRPSおよび,疼痛で手が
不使用となってしまった症例に対しては,OTとして,「今の機能で出来る事はなにか?」,「痛い中でも
出来る事はなにか?」と課題や作業を検討し,対象のGoalやQOLを引き出す事が重要であることが
学べました.
4例目は「橈骨骨折術後感染の一症例」については,感染源を確認することの重要性や,早期の
外固定の必要性,またOTの継続性を保てるよう,必要に応じてDrと相談する事などが意見として
挙がりました.
5例目は「熱傷により手指の可動制限に難渋した症例」についての報告でした.可動域改善の方法
としては,Buddy Tapingや,Dynamic Splintなどを使用し,腱滑走を促すことが挙げられました.
その他,OTがどういう手にしたいか.どうしてそれが出来ないか.どういう風に手を使っているのか等,
対象のNeedを明確化し,またそれに必要な機能を検討する事が重要であるとの意見もありました.

文責:成田

<参加者の声>

月に一度の勉強会では様々な先生方のご意見を伺う事ができ、ハンドセラピィに携わった経験が浅く
わからない事が多い中、大変勉強になります.多くの先生方が切磋琢磨されている姿を見て大変刺激
を受け、またいつでも相談させていただける環境という事も非常に安心感を持つ事ができます。
今後も知識・技術を向上できるよう積極的に勉強していきたいと思います。

江東病院 大野明日美先生