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第12回T-HANDsセミナー/スプリントセミナー

 

平成31年3月3日(日)に杏林大学井の頭キャンパスにて,
第12回T–HANDsセミナー Splint Seminar -The Dynamic -を開催いたしました.

例年スプリントの作製実習を内容として開催しているセミナーですが,
今回は初めての試みとしてDynamic Splintをテーマにおこないました.

講師に聖隷横浜病院の奥村修也先生をお招きし,Dynamic splintの理論と構造のご講義頂きました.
講義では,アウトリガーやコイル,スプリングの選択や調整方法などのDynamic splintの構造について
知識を深め,目的や標的組織を明確してDynamic splintを効果的に使用する理論を学びました.

次にDynamic splintを使用した事例紹介を,東京慈恵会医科大学附属病院の田口健介先生,
JCHO東京高輪病院の成田大地先生にご講義頂きました.
どのようにDynamic splintを導入するのか,構造をどのように選択するのかなど,
実際の治療について症例を供覧しながら,具体的な使用例と治療効果についてご講義頂きました.

Splint作製・デモンストレーション,作製実習は,講師の中川整形外科の仲木右京先生(当研究会会長)
をはじめ,奥村修也先生,慶應義塾大学病院の阿部薫先生の技術指導のもと行われました.

ハンドベースにアウトリガーを取り付ける手指伸展用 スプリント背側コックアップ スプリント,
背側コックアップ スプリントに着脱可能な手指伸展用アウトリガーパーツを作製しました.

 

今回参加していただいた皆様に,心よりお礼申し上げます.
これからも臨床で患者さんへ還元できる知識・技術を提供できる研究会を目指して参ります.

 

 

〔参加者の声〕

今回のセミナーでは,「Dynamic Splintの理論と構造」、「Dynamic Splintを用いた事例紹介」
について講義を受けた後に作製実習を行いました。

理論と構造の講義では、Dynamic Splintを有効に使用する為の、「牽引方向の調整」「運動軸の理解」
などを学ぶ事が出来ました。普段、臨床で作製する時に、牽引方向などに注意して作製していましたが、
今回の講義では「cuffの位置」「outriggerの高さ」なども考慮することで、関節への負担が変わることを
知り、今後はより意識して作製しなければいけないと痛感しました。

事例紹介では、「骨折後の拘縮」「腱損傷後の早期運動療法」など、実際の疾患に応じたDynamic Splint
の活用方法を提示して頂きました。ハンドセラピィ経験の浅い私にとっては、正確な評価に基づく
プログラム立案、目的に応じたSplintの活用方法を詳細に教えて頂き、大変参考になりました。

作製実習では、橈骨神経麻痺に対する手指伸展補助用のDynamic Splintを作製しました。
今回、outrigger partsが取り外し出来る事により、「安静時の良肢位保持」「活動時の機能代償」など
場面に応じてSplintを変更させ、手をいかに使用するか考えており、とても参考になりました。

毎年、T-HANDsのスプリントセミナーへ参加していますが、毎回新しい知識や技術を学ぶ事ができ、
とても有意義な時間を過ごす事が出来ました。今回学んだ事を実際の臨床で活かせるように、
知識・技術の向上に努めていきたいです。

瑞江整形外科
石橋賢一

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