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5/20 勉強会「知覚,評価」

5月20日の勉強会は,「知覚機能」と「評価」をテーマに執り行いました.

「知覚機能」については,聖マリアンナ医科大学病院の大森みかよ先生より,知覚の
神経の機能解剖から,評価の実際についてまでご講義頂きました.また,「評価」につ
いては,慶應義塾大学病院の阿部薫先生より,「Action Research Arm Test:ARAT」に
ついて.同病院の三輪一馬先生より「Rosen score」についてご講義頂きました.ARAT
については,近年脳血管疾患の評価として多く用いられるようになってきたパフォーマ
ンス評価であり,「つまみ」,「握り」,「リーチ」の要素を含んだ数種類の作業を実施
してもらい,その作業の正確性と時間によって点数かする評価で,簡易・迅速に行える事や
STEFと比較し,点数がつけやすい事が利点との事でした.「Rosen score」は,正中・尺骨
神経麻痺の患者さんに対し,筋力,知覚検査,パフォーマンステスト,寒冷耐性などの
数点の項目によって点数化するテスト法との事でした.
どの内容も,臨床に関連性の高いものであり,活発な討議,質疑応答がされていました.
以下に勉強会の風景と参加者の声を掲載させて頂きます.

<参加者の声>

今回の勉強会では,①手の知覚機能②Rosen Score③ARATに関する講義と評価キット
を用いた体験をすることができました.大森先生による①手の知覚機能の講義では,
基本的な末梢神経の分類をはじめ,知覚評価を実施するうえで考慮すべき「感覚(主観
的体験)→知覚(客観的判断)→認知(統合と解釈)」のシームレスな関係性について
学ぶことができました.末梢神経の分類や受容器の種類・特徴など養成校時代に勉強し
ていましたが,聴講するなかで私の知識が曖昧になっている部分が多く身の引き締まる
思いでした.
末梢神経損傷後の回復過程を推測し,これに応じた手の使用を促すことは,セラピスト
の重要な課題の一つであると感じています.今回学んだことは回復過程を推測するために
必要な知識であるため,今後の臨床ではこの点を意識し取り組みたいと思いました.三輪
先生,阿部先生からは,評価の開発論文から評価方法,現在報告されている臨床研究をも
とに,②Rosen Score ,③ARTAの紹介がありました.今回の勉強会に参加するまで,これ
らの評価は名前を聞いたことがある程度でした.先生方の講義を通し,評価の対象疾患や
臨床現場で用いる際の活用方法~問題点に至るまで,評価方法に関して知識を深めること
ができました.また,当日は評価キットにも実際に触れることができたため,参加した
各々が対象者をイメージしながら各施設での導入の可能性について考えることができたの
ではないかと思います.

水戸済生会総合病院 片岡信宏

<勉強会の風景>

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