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11/21 勉強会「台湾研修報告,症例報告」

11月21日の勉強会では,台湾研修報告と症例報告3題がおこなわれました.

台湾研修報告会では,9月20日に台湾の高雄長庚紀念醫院(Kaohsiung Chang Gung
Memorial Hospital)で仲木会長が講師をされた,高雄市職能治療師公會主催の職能治療師
在職教育課程,動態副木設計製作與臨床運用という台湾の現職作業療法士に対する研修会
についての研修報告(台湾勉強会台湾勉強会②)がありました.台湾の病院・施設や,
作業療法士が働いている様子を知る機会となりました.台湾の作業療法士の「わからないことや
興味のあることに対して,恥ずかしがらずに積極的に質問やディスカッションをする」という姿勢に
ついては,T-HANDsの参加者も刺激を受けました.また海外の作業療法士と交流し,自分たち
日本の作業療法士について,客観的に考えられる時間となりました.

症例報告では,「切断者へのアプローチ」,「腱滑走障害による手指ROM制限を生じた両側
手根管症候群の症例」,「中手骨骨折後ナックルキャストを行い手指拘縮を生じた症例」の3題が
報告されました.「切断者のアプローチ」では,Useful Handを目指すために早期から,OTと
患者さんが将来的なビジョンを共有することの大切や,残存機能を詳細に評価する必要性を
学びました.「両側手根管症候群の症例」では,手関節以遠の解剖学的知識をもとに熱い
ディスカッションがなされました.「ナックルキャストの症例」では,ナックルキャスト法の概要の
確認や拘縮を未然に防ぐためにOTとしてやらなければならなかったことなどについて考える
ことができました.

T-HANDsの中に「質問や意見を恥ずかしからずに積極的に言い合える」という姿勢が
これからもどんどん育っていけるような気がした勉強会でした.

以下に参加者の声と勉強会の様子を掲載いたします.
<参加者の声>

今回の勉強会では、9月に実施された台湾セミナーの報告と、症例報告が3例行われました。

台湾セミナーの報告会については、セミナーが行われた高雄長庚紀念醫院の施設見学の内容
やスプリント作成実習の様子などを報告していただきました。日本と台湾のリハビリテーションに
関する制度や様式の違いについても知ることができました。

症例報告では、①デグロービング損傷、②両手根管症候群、③中手骨骨折の3例について報告
していただき、活発な質問や意見交換が行われました。

①デグロービング損傷については、基節骨レベルでの切断例で、医学的情報を詳細に把握して
おくことや、治療をすすめる前に残存している機能を評価しどんな「手」へ近づけていくのか目標
立てを行うことの重要性を改めて感じました。
②2例目は手指可動域制限を呈した両手根管症候群についてでした。原疾患に対するアプローチ
に加え、2次的に生じた障害への捉え方、さらには腱滑走についての評価、exerciseなどを学ぶこと
ができました。
③中手骨骨折では、ナックルキャスト固定後に強い痛みの訴えと手指の拘縮が生じてしまった症例
であり、ナックルキャストの目的・効果を理解したうえで、医師と連携し必要に応じてキャスト固定中
から早期よりリハビリを開始する必要性やリハビリ依頼が出るまでの患者指導について考えさせら
れました。またCRPSについての対応などもご教授いただき、大変参考になりました。

今回の勉強会を通し、たくさんの知識を得ることができました。ありがとうございました。

キッコーマン総合病院 神原麻由

<勉強会の様子>

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