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2/18 勉強会「症例報告」

平成29年2月18日は,「症例報告」,「文献抄読」をおこないました.

201702④

症例報告では,慈恵医科大学附属病院の田口先生より,メルケル細胞癌に
伴う腕神経叢損傷患者の一例,湘南鎌倉総合病院の大橋有香より,前腕切断
の一例の報告があり,文献抄読では,群馬大学の徳田継祐先生より,鏡視下
腱板修復後の後療法について,数点の文献をまとめたものを報告して頂き
ました.また,酒井医療株式会社の大塚さんより,新製品スマートハンドル
のご紹介がありました.

田口先生の症例では,メルケル細胞偐という,珍しい疾患の理解を高めら
れたと同時に,腕神経叢損傷という多彩な障害の生じる神経損傷の患者に対し
Bottom upで詳細に評価を取り,問題点を明確化させることの重要性と,
Top Downにて,現在の上肢機能がどの程度で,どのくらいの事ができる
のかを評価し,ご本人の必要な機能を焦点化するという,患者の全体像を
いかに理解し,把握するかを学ぶことができました.
大橋先生の症例では,切断後,機能低下を来たした症例の職場復帰について
討議がおこなわれました.運動機能面の評価・治療だけでなく,仕事内容の
詳細な調査や,作業にどのような機能が必要かを評価すること.それに対し
明確・詳細な目標を立て,自身で徐々に将来を考えられるように心理的な
関わりを持つことが重要なのではないかとの意見が聞かれました.
徳田先生の文献抄読では,肩腱板損傷の修復術の後療法について,文献から
得られた知見を発表して頂きました.海外でのプロトコールと,群馬医大にて
実際に行われているプロトコールの紹介がありました.最大筋力の測定や
筋力訓練の負荷設定等が論点として挙げられていました.

酒井医療株式会社の新製品スマートハンドルは,エクセサイズバンドを挿ん
で使用する機器で,機器(バンド)にかかる張力を計測することができ,筋力
強化訓練時に,目標張力を設定し,等張性訓練を確実におこなえたり,ピーク
値を設定し,繰り返し練習がおこなえる物で,設定の難しい筋力強化訓練に
有用な機器と思われました.

201702②

以下に勉強会の風景と参加者の声を掲載させて頂きます.

<参加者の声>

自分自身T-HANDs勉強会に参加するのは2回目の参加でしたが、今回の勉強会
に参加できたことは、自分自身の日々の臨床で欠けていることや知識不足を再認識
すると共に、新しいことを知ることができ大変勉強になりました。

症例検討会では活発な意見交換がなされており、諸先生方の評価の視点やポイント、
臨床での悩み等を知ることができました。特に、徳田先生の「鏡視下腱板修復術後
の後療法について」の発表では、文献と徳田先生の勤務されている病院での後療法
の比較をしながらの発表で、自分自身の病院では経験することがなかった症例でも
あったので、いつかこのような症例を担当させていただいた際には参考にさせて頂
きたいと思いました。
勉強会最後には、酒井医療さんからも新製品のスマートハンドルの商品説明も
あり、内容盛沢山の勉強会で充実した半日でした。今後も積極的に勉強会に参加し、
知識・技術の習得と共に当院に持ち帰って部内にも広めていきたいと思いました。

前橋赤十字病院 作業療法士 春山滋里

201702①201702③