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2/20 勉強会「症例報告,研究報告,研修報告」

2/20の勉強会では,以下の症例報告,研究報告,研修報告が行われました.

1) 症例報告 「肘関節脱臼骨折の一症例」

2) 研究報告 「当院の上腕骨内側・外側上顆炎に対する術後セラピィ」

3) 研修報告 「Cleveland Clinicにおける研修報告」

 

「肘関節脱臼骨折の一症例」では,演者の先生が用いられている術後後療法,術後Splintについて
ディスカッションが行われました.肘関節の動的なSplintにおいては,単独の運動軸では不十分であ
ることや,受傷状況に応じた後療法プログラム変更の必要性などを学びました.

「上腕骨内側・外側上顆炎に対する術後セラピィ」では,接合が可能なSplintを肘・手関節のぞれぞ
れに作製し,経過に応じて各Splintを分解していくという独自の治療結果が報告されました.分かり
易い研究報告の発表スライドについても解説がありました.

「Cleveland Clinicにおける研修報告」では,アメリカのOT・ハンドセラピィの様子と,海外研修を行う
際の手続きや準備について意見交換がされました.アメリカと日本のリハビリの共通点や違いについ
ても報告がありました.

今回は,症例報告だけではなく,研究・研修報告もあり,内容の濃い勉強会となりました.新しく学ぶ
ことが多く,OTやハンドセラピィの治療の質を高めるために,さらに研鑽が必要だと感じさせられました.

 

以下に参加者の声と勉強会の様子を掲載致します.

<参加者の声>

 

今回の勉強会は、症例報告2題、研修報告1題でした。

症例報告1題目は、肘関節多発脱臼骨折の症例に対し、肘ヒンジ付きスプリントを用いて術後早期から
セラピィを開始した報告でした。

術後プロトコールについて、受傷直後や術直後においては、拘縮の予防のため早期の運動も必要であ
るが、損傷組織の修復のためには安静も必要であり、状態によっては運動開始期を遅らせ、二次的障害
の予防や患部外の運動に努めることも重要であると学びました。今回のような肘関節の疾患であれば、
固定・安静期に肩や体幹の運動をおこない、上腕二頭筋や上腕三頭筋の緊張を和らげていき、症状に
応じて肘関節へアプローチしていくことが良いのではないかとの意見もありました。

また、スプリントについても話があり、肘関節ヒンジ付きスプリントでは、ヒンジが1軸では関節運動をした
際にスプリントがずれてしまい、骨折部へ負担がかかってしまいます。そこで、肘関節の軸を跨ぐ2軸のヒ
ンジを作製することで、肘関節への負担を軽減、肘関節の内外反を制動した状態での肘関節運動が可
能となるとのことでした。

症例報告2題目では、上腕骨内側・外側上顆炎に対する術後セラピィについての報告でした。術後に
修復部の安静を保つために手関節用と肘関節用の2つのスプリントを作製、術後の損傷部の治癒状況
に応じて、段階的に運動を許可していくセラピィを展開しているとのことでした。上腕骨内側・外側上顆炎
を罹患している患者さんでは、ROMだけでなく、握力やQOL評価を実施して、再発予防のために1ヵ月
ごとに筋力測定や手の使用状況など、教育的プログラムをおこなっていくことの重要性を学びました。

研修報告では、アメリカでの短期研修の様子や、日本との違い・似ているところについての報告でした。
日米ともに、セラピストは手外科医とよくコミュニケーションをとることが重要との意見があり、ベテランのセラ
ピストが心掛けていることだそうです。
また、アメリカでは認定ハンドセラピストのみが、ハンドセラピィをおこなえるとのことで、各国での資格の
重要性の違いを感じるとともに、日本の認定資格がより影響力を持つものへと変わっていくと良いのでは
ないかと感じました。

JCHO東京高輪病院 東田翔平

<勉強会の風景>

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