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7/15 橈骨遠位端骨折ガイドライン2017レビュー,症例報告

7月15日の勉強会では,「橈骨遠位端骨折ガイドライン2017」レビューと症例報告(2症例)が行われました.

「橈骨遠位端骨折ガイドライン2017」レビューは,日本医科大学武蔵小杉病院の大野博子先生にプレゼンテーションしていただきました.最新のガイドラインの概要やリハビリに関わる部分を中心にお話いただきました.参加者とのディスカッションでは,臨床場面でガイドラインを活用する際の考慮点や,作業療法士の視点による独自の「Outcome」の必要性などについて意見交換されてました.

症例報告では,東京医科大学八王子医療センター の井上由貴先生から「上腕骨頭骨折に腕神経叢麻痺を合併した症例に対し人工骨頭置換術を行った症例」,キッコーマン総合病院の神原真由先生 から「母指屈筋腱断裂対し人工腱を用いた2期的手術を行った症例」を報告していただきました.1症例目では,腕神経叢麻痺に対する評価や人工骨頭置換術後の後療法について議論が行われました.2症例目では,拘縮原因の評価や問題点となった「茶碗把持」動作の分析,スプリント療法についてクローズアップされました.2例ともに特徴的な事例であり,新たな視点や治療方法について共有することができました.

<参加者の声>

今回の勉強会では橈骨遠位端骨折治療ガイドライン2017についての講義を受けた後,上腕骨頭骨折に腕神経叢麻痺を合併した症例に対し人工骨頭置換術を行った症例報告と,母指屈筋腱断裂対し人工腱を用いた2期的手術を行った症例についての報告がありました.

橈骨遠位端骨折診療ガイドラインの講義では,5年に一度改訂されるガイドラインについて,5年前との変更点や近年の治療の傾向など解説を交えながら丁寧に教えていただきました.ガイドライン中でのリハビリの項目では,海外で発表された文献で,手術後医師の指導の下ホームエクササイズのみを行った群と,セラピストが付いてリハビリを行った群では,術後半年後の治療成績に差がないという報告には色々な面で考えさせられました.海外と日本では医療体制が違うため一概に良し悪しを評価する事はできないが,重症例に対してセラピストが個別性を持って治療にあたる事には大きな意味があるのではないかという担当の方の言葉が印象的でした.

症例報告では,治療経過の報告の後に,臨床の中で治療に難渋する場面や疑問点などについて,各参加者での討議の後,仲木先生,阿部先生,大森先生,奥村先生からそれぞれアドバイスをいただきました.先生方が仰っていた,ぶれない治療を展開するためには患者さんの手をどのような手にしていきたいのかを明確に持つ事が重要だ,というフレーズが非常に心に残っています.今回の勉強会で得たことを,患者さんへの治療へ繋げていけるように,日々研鑽を積んで行こうという気持ちをより一層強く持つ事が出来ました.

石橋総合病院 清永健治

 

<勉強会の様子>

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