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8/13 企画勉強会「複合損傷のセラピィ」

8月13日の勉強会は,特別企画として「複合組織損傷とスプリント~難渋例から
学ぶハンドセラピィ~」をおこないました.また,作業療法学会の予演会をおこない
ました.
予演会では,「母指CM関節症におけるADL指導」についての発表をして頂きました.
内容としては,CM関節症における重症度と,ADLの関連性についての報告であり,
罹患期間と重症度に関連性がある事.また,重症度が軽症な例において,自覚的な
ADL困難度が高いなどの報告がありました.
特別企画の「複合組織損傷とスプリント」については,交通外傷での上肢複合損傷
についてと,切断症例について,それぞれ目標設定から治療・スプリントの選択や進め方,
についてお話し頂きました. どちらの症例においても,重度な損傷の中で,対象者のニーズ
を確認し,それぞれのUsefulhandの獲得に向け,経時的に目標や治療方針を修正すること.
それを実現する創造力が必要であることを学ぶことが出来ました.

以下に参加者の声と勉強会の様子を掲載させて頂きます.

<参加者の声>

今回の勉強会では,10月に行われるOT学会の予演会と特別企画として「複合組織損傷と
スプリント~難渋例から学ぶハンドセラピィ~」がありました.特別企画では,複合組織損傷の
ハンドセラピィについての概論と「両上肢重度挫滅損傷を呈した症例のハンドセラピィ」,「全指
切断者に対する作業用義手の作製経験」の2演題の講義をしていただきました.

OT学会の予演会は,臨床場面でもよく担当するCM関節症についての発表でした.ADL動作
は病期により困難さに差があり,発症初期の方が困難さを感じやすいことや,やりにくさのある具体
的な動作などがわかり,今後患者様に動作指導をする際の参考にしたいと思いました.

「複合組織損傷とスプリント」では,難治例の2症例が提示され,今後どの機能が回復するか,
何ができるようになるかなど,常に先のことを考えながら訓練をする必要があり,改めて難しさを感じ
ました.患者様がより使いやすい手を獲得するためには,初期から拘縮を作らないことや残された
機能の維持・向上を図り,適宜スプリントや自助具なども検討しながら,訓練を進める必要がある
ことを学びました.またOTだけでなく,医師や看護師などの他職種とも,連携を取りながら治療を
進めることが大切だと感じました.

今回も多くの知識を学べたので,今後の臨床にいかしていきたいと思います.

慶應義塾大学病院 根本はるか

<勉強会の様子>

201608②201608